いちごを買って後悔したことありますか?
冬から春にかけて美味しいいちごの季節。
でも、楽しみにして買ったいちごが「おいしくない」「傷んでいた」などの損したことはありますか?
ありますよね。私はあります。いちごは甘くても適当に買っていいような甘いフルーツではないんです。
スーパーの青果部門勤務を経て、青果バイヤーをしていた自分でもプライベートでは失敗続きでした。安物買いの連戦連敗状態。
ぶっちゃけ、青果売場の店員さんも95%はわかってないです。
「潰れてなきゃオッケー♪」
その程度の意識の店員がほとんどです。(仕入れた以上売らないといけない部分もありますし)
知識は身を助ける。
誰かは知りませんが、偉い人がそんなようなこと言ってたような気がします。
そんな販売側の立場を踏まえつつ、貴方に「損しないいちごの選び方」を教えましょう。
まずは早速結論から!
結論!いちごで損しない、見るべきポイントは3つ!ここだけは見て!
第1位から紹介するのがクダモノノススメ流。
もったいぶりません。
第1位 パックの裏面
いきなり裏ですか?
そうです。表の顔は誰でも見ます。店員だっててきとうな人でも表は一応見ます。
でも、裏見ない人いるんだって!そして、
いちごは裏が一番危ないんだって!!
どれぐらい危ないかっていうと、運転中にスマホをいじるぐらい危ない。
必ず事故る、捕まる。
実際、裏面には多くの罠が仕掛けられています。
①痛みの罠
パックに面しているため、押されや潰れが発生しやすい。輸送中の衝撃をもろに受けやすい。
いちごが重なっている場合、上段からの重みもあるのでよく潰れています。満員電車の中の巨大風船だと思ってください。そりゃ潰れるし割れますよね。いちごが潰れた場合、グシャグシャで汁が出ています。こうなったらもう最悪です。裏を見ようとパックを裏返した瞬間に汁が手に襲い掛かってきます。一瞬流血したかと勘違いしちゃいます。もしも売場の店員の袖が赤く染まっていたらよく品物を見てる店員だなぁ、と心の中で関心してあげましょう。
また、いちごは1個カビてると周りもれなく被害が出てます。
腐ったみかんは周りも腐らせるとはよく言いますが、いちごも同様に周りに影響を与えます。なんなら多汁のいちごの方がひどいまであります。
②生産者の罠
・下段は不揃いな大粒を数個入れ、上の段は綺麗に並べてパック詰めの張りぼて理論
・色づきの悪いやつは下段に入れとけ理論
・少し傷が…まぁ下段なら理論
いや、分かりますよ?燃料費や人件費が上がっていて少しでも多く身入れを増やしたい農家の大変な状況は!でもそれってどうなんでしょう。
買う側はがっかりするんです。子供なら泣き出すよ?
店にクレームを入れられるレベルではないのがまた確信犯というか…
少し脱線して、もしもお店で仕入れた(この場合はいちご)が悪かった場合どうするのか?を教えます。
・店舗より仕入れたいちご(生産者〇〇さん)が悪いと仲卸に連絡がいく
↓
・仲卸はその情報を卸へ伝える(仕入れ状況や保管情報により、場合によっては伝えない)
↓
・卸より各JAへ
↓
・JAより生産者へ
いや、伝言ゲームかいっ!
実際、あまり生産者には伝わってないのではないでしょうか。だから手を抜く生産者が現れる。
そして、なにより問題なのが
良かった場合は99%スルーされる。
見た目も味がどんなに素晴らしくても、基本的に店舗からは特に何も連絡しません。
「あぁ、今日のいちごはいいやつ来たなぁ」
ぐらいの感想を一瞬持ちますがすぐ忘れます。店員さんは日々忙しさに忙殺されてます。
販売店やお客さんから、良かった場合でも生産者へフィードバックが出来るシステムがあればいいと思います。
みんな褒められたいんですよ。
自分がこだわり、頑張って作った果物は子供同然。それを販売したお店の人や買った消費者が喜んでくれている。そんな状況が伝わるようにしたいですね。生産者のやる気もあがり、それによってさらに良いものが増える。必ずいいループが生まれるはず。
悪かった時だけ文句言われて、良かった場合は何も評価されない。
それでやるきが出たらマゾもいいといころ。
会社勤めのサラリーマンも同じような状況な所が多いですよね。
良い仕事は当然とばかりにスルーされ、ミスした時ばかり声高に責められる…
すみません、自分に転換して、つい熱くなってしまいました。
③店員の罠
上記の理由により、下段のいちごが何らかの欠点を抱えていることが多くあります。
本来ならばそれに気づいた有能な店員は、悪い果実の物を良いものに入れ替えて手直しするという作業が入ります。(1粒だけ潰れや押されてたぐらいでは市場に返品はできません)
でも、ぶっちゃけそれめっちゃ時間かかるやつなんだって!
まずかかっているセロハンが外れにくいし、よく破ける。
そして、下段のいちごを組み替えるとすると上の段も崩す必要が出てくる。
いざ組み替えるにしても大きさが違うとハマらない。
開けると今まで見えてなかった部分も微妙に傷んでいたりで気になってしまう。
たまった組み換え用のいちごを大量に手直ししようとする場合、私の場合は
「オペを開始する。」
と周囲に宣言して集中して1時間位はかけてました。
いや、もうそれぐらい面倒なんです。少しぐらいならいいやと思うのが忙しい店員の心理状態です。
分かっていただけましたでしょうか?もう自分で避けるしかないんです。
人を外見だけの見た目で判断して騙されたことや、後悔したこともたくさんあるでしょう。
いちごも同じです。絶対裏もみましょう!
※高級ないちごは裏に保護の為のクッションが敷いてあることもあるので、その場合は可能な限りサイドやいちごの状態をよーく見ましょう。
第2位 品揃え
売場に展開あるいちごの種類。何種類ありますか?
1種類だけ?論外です。最低でも2品種は欲しい。
もしもその店が1種類だけの展開ってことはもうその店は何もこだわってません。
来るもの拒まず。人のいいバーテンダー状態。
いや、誰でもいいとか何でもいい言う人ほど逆に面倒なものはないよ。
ではなぜ1種類ではダメなのか?
①何も考えてない青果担当者の可能性
店舗担当者が考えて仕入れてない可能性が高い。そしてその場合はだいたい安いものを選ぶ。
もちろんたまたま良いものが来るときもあります。でもムラがありすぎる。
1種類だけよりも複数でリスク分散。投資と同じ。
常に1種類だけの仕入れだと、もしもそれがダメな場合すべてダメになってしまう。組み替えるにしても第1位にも書いた通り時間がかかる。詰みます。そりゃ妥協して出します。
②こだわりのあるチーフの可能性
逆に常に複数品種を品揃えしている店舗の場合、こだわっている青果担当者の可能性が上がります。
そして品質に対する意識も少し高い人が多い気がします。
そんなリスクを回避したい上級担当者だと、同じ品種を扱うにしても複数の仕入れ先から仕入れることがあります。
例えば、同じ栃木産とちおとめにしても、仕入れ先が違えばJAも変わるし、生産者も変わりますから。
リスク分散って超大事。
③仕入れ力
その店舗や会社において仕入れ力がない場合、品揃えを揃えられない可能性があります。
昨今、走りや名残という果物の出始めや終わりの元々入荷の少ない時期だけでなく、旬の時期においても農作物の品薄が多く目立つようになってきました。
市場に品物がない。品種やサイズを選べるほど市場に品物がないんです。
いちごの広告でも、昔は「とちおとめ○○円」などと品種で記載しておりましたが、最近では「いちご○○円」といった様に記載し、物量を集めることを優先しています。
そんな中、ある程度品種を揃えて売場を作れているお店は仕入れ力、目利き力において信用できると思います。
第3位 いちごの色つや、形
3位で一番まともなやつ来た!よく他のサイトで見るやつ!
実際どこを見ればよいのかを簡単な3つのポイントで教えます。
①ヘタにハリがあり、反り返っているもの
イチゴは追熟しません。採れたてであればあるほど美味しいです。買ったらなるべく早く食べましょう。
イチゴのヘタの部分が緑色で反り返っているものは鮮度が高く、おいしいいちごの印です。
同様に果実もツヤとハリがあるものを選びましょう。
②色が全体的に色づいているか
ヘタの部分まで均等に色がついているものはよく熟していることが多く、甘いいちごの可能性が高いです。ヘタの方に白い部分が残っている場合は若いものが多いです。
クリスマス時期や年末年始などの品薄の時期ほど高く売れるため、農家でも未熟と分かりつつ収穫して出荷することがある為、注意が必要です。
③大粒で形が良いもの
栄養をしっかり受け取って成長した大粒のものが美味しいです。
形が不揃いなものは光の当たり方がまばらであったり、栄養がきちんと回っていないなど、何らかの可能性があります。
↑とちあいか。こんないちごだと素晴らしいすね。
まずは鮮度と熟度。形や大きさは最後の順で覚えましょう。
まとめ
いちご選びで後悔しない方法をまとめてみました。
簡単に1文でいうと、
『売場ではいちごの品揃えをチェック。鮮度と熟度が良さそうないちごを見つけたら、パックの裏もしっかりとチェック。』
売り手側の心理も理解しつつ、良いいちご選びをお楽しみください!
あ、品物をチェックは「やさしく」。見たら「必ず元の場所に」しっかり戻しましょうね。
それではよい果物ライフを!